透析治療Dialysis

はじまり

イメージ全国的にみて、温暖な地域で比較的発症例の多い“レプトスピラ症”という感染症があります。レプトスピラ症の症状として、発熱、嘔吐、黄疸、脱水、食欲不振などがあります。重度症状では腎臓に大きな障害を与え、急性腎障害により尿が出なくなり、尿毒症を併発し死に至ります。特に、乏尿、無尿の場合は、輸液療法による治療では限界があり、手の施しようがない症例をこれまで多く経験してきました。しかし、尿がつくられれば、確かな輸液療法を施すことで症状は改善できます。尿がつくられるまで腎臓の代わりをしてくれる、つまり、小動物にも対応できる透析装置があればレプトスピラ症で命をなくしてしまう動物は少なくなるはず、と長い間考えていました。

最新の動物用透析装置との出会い
2008年、我々は画期的な小動物用透析装置と出会いました。これまでにも小動物用の透析装置は存在しておりましたが、“これは小動物の透析装置として必ず通用する。”と感じました。ヒトの透析装置を小動物に代用するには、様々な問題点がありましたが、この装置はそれらをほとんど解決してくれていました。

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透析治療の実際

日本で動物の透析治療を行える動物病院は、まだまだ少数といえます。しかしながら、透析治療でないと助けられない病気は確かに存在します。前述しましたレプトスピラ症の他にも、中毒による急性腎不全などのケースでは、尿がつくられなくなった状態に陥ることは珍しくありません。
その尿がでない時期を、透析による腎代替療法により乗り越えられれば、再び腎臓の機能が回復し助かっていくことを当院では経験しています。透析治療をすれば救命できたかもしれない動物たちがこれから増えていってくれることを願いながら、日々がんばっています。

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